「IMV」という名称をご存知でしょうか?
これはトヨタが新興国向けに立ち上げたプロジェクトで、「革新的国際多目的車」という意味合いの名称。
ひとつのラダーフレームを用い、トラック、ミニバン、SUVの各ボディを架装して販売しようという戦略です。
このIMVのミニバンに当たる車種である「トヨタ・イノーバ」がフルモデルチェンジを行なったので、見てみましょう。
トヨタ・イノーバってどんな車?
トヨタ・イノーバは、残念ながら日本では販売されていないミニバンの一つです。
2004年から東南アジア各国、インド等で売られ、大人気を誇っており、今回の新型イノーバは、その2代目に当たります。
パッケージングは5ドア、3列シート、7/8人乗りです。
車体のサイズは全長4,735x全幅1,830x全高1,795で、同トヨタのアイシスをひと回り大きくしたような寸法です。
外観はミニバンなのですが、トラック向けラダーフレーム、FR(フロントエンジン・リヤ)駆動、リジッド式サスを持った、シンプルかつ丈夫さが売りの車となっています。
イノーバ以前にも、トヨタはキジャン(インドネシア名)という、もう少しトラック然としたモデルを販売していました。
こちらも多くは乗り合いタクシー用等として絶大な人気を誇っていましたが、モデルチェンジに当たって方向性を変更、イノーバという高級感を持たせたミニバンとして、新しく生まれ変わりました。
イノーバの気になるスペックは?
旧型モデルでは、直4DOHCの2リットルガソリン(1TR-FE型136PS)、直4DOHCターボの2.5リットルディーゼル(2KD-FTV型102PS)をメインに、5MT・4ATがそれぞれ組み合わされていました。
今回の新型では、2リットルガソリンは同スペックですが、ディーゼルの方は直4DOHCインタークーラー付ターボの2.8リットル(1GD-FTV型171PS)となり、ミッションもATの方が6速に変更、かなりグレードアップしました。
組み合わされるサスペンションは、前輪がコイルスプリング・ダブルウィッシュボーン、後輪がコイルスプリング・4リンク式リジッドサスです。
新興国では、道路の冠水、未舗装路、そして整備性といった部分が必要とされ、その為イノーバの場合も、日本で見るミニバンよりも最低地上高が多めに確保されていたりします。
新型イノーバの価格は232万円から
このIMVのSUVタイプに当たる「トヨタ・フォーチュナー」、およびトラックタイプの「トヨタ・ハイラックス」も先だってフルモデルチェンジされました。
今回のイノーバのフルモデルチェンジで、フロント部の外板、顔つきは、このハイラックスと共通化されました。
日本で販売されていないにしろ、FRのミニバン、という日本では今も昔も例をあまり見ない組み合わせに、新型イノーバの価格は幾らくらいなのだろうか、と気になる方もいらっしゃるかもしれません。
フィリピンでの国内販売価格を日本円に換算すると、232.5~315.5万円となり、けっこう高いです。
新興国とはいえ、自動車の販売価格は日本と同等もしくは高めというのが、意外ながらも一般的となっています。
日本でイノーバが発売される可能性はありませんが、日本が誇るトヨタはこんな車種も作っているんですね。