明日はいよいよクリスマスイブ!街はプレゼントやイルミを見に来た家族からデート中のカップルまで、様々な人で賑わうことでしょう。
きっと世界中のサンタクロースさんも大忙しです。
でもちょっとまって・・・貴方は今年1年悪いことはしていませんか??
もし何か罪を犯したとしたら、貴方の元へ来るのは「サンタさん」じゃなくて「クランプス」になるかもしれません。
恐怖のサンタ「クランプス」とは・・・
一般的なサンタさんとは「聖ニコラウス」のこと
クリスマスのサンタクロースといえば、赤いコートに白いファーが付いていて、黒い長靴、真っ白で大きなヒゲ、おもちゃなどのプレゼントがたくさん入った袋を持っているイメージがありますよね!
そして真っ赤なお鼻のトナカイさんがひくソリに乗って、夜にこっそり煙突から侵入(失礼)、子どもたちの靴下にプレゼントを入れて帰っていく・・・こんな感じでしょうか。
実はこの一般的なイメージのサンタさんは、「聖ニコラウス」または「ニコラオス」と呼ばれる実在した人物(聖職者)がモデルとなっています。
ニコラウスさんは、サンタクロースさん同様、貧しい村の娘にお金を恵んだり等と困った人を助けていたり、時には肉屋に誘拐されて商品にされかけた子どもたち(!)を救ったりもしました。
そんな事から子供の守護者のような扱いとなり、現在のサンタさんが誕生したと言われています。
よく煙突から忍び込むシーンや靴下にプレゼントというものがありますが、あれは当時貧しい家にお金を渡す際、外に置いていたら盗まれてしまうため、煙突から投げ入れたらたまたま家の中にあった靴下に入ったことから広まっているようです。すごい偶然ですね!!
ちなみに"サンタクロース"の語源は"シンタクラース"で、シンタクラースというのは聖ニコラウスの"聖"という部分の意味です。
なので、クリスマスが聖なる夜というのは正しいんです。
最近コスプレの流行りでちょっとエッチなサンタコスがあったりしますよね?
こんなのです。
これは訳すと"ちょっとエッチな聖なるコスチューム"というよくわからないものになります。
聖的なのか性的なのか非常に悩ましいところです。
クランプスの正体・・・それは、サンタに変わってお仕置きをする悪魔
すいません話がズレてしまいました。
では本題ですが、「クランプス」とは一体何者なのでしょうか?
クランプスとは、主にヨーロッパ中部に伝わる伝説の生物のことです。
全身真っ黒な毛で覆われて、頭には羊のような大きな角、そして長い舌。
足は片方が馬の蹄がついていて、もう片方は人間の足という、いかにも悪魔といった風貌のモンスター?クリーチャー?がクランプスです。
クランプスは手にはムチや鎖、背中には大きなカゴを背負っていて、遭遇した子どもたちに対して「ちゃんと親の言うことを聞いて勉強をしないと、さらって地獄の穴へと落とすぞ~」と脅します。
サンタというより、日本で言う「なまはげ」みたいな感じですね。
クランプスは、北米神話に登場する、死を司る冥界の女神「ヘル」の息子とも言われています。
また、クランプスはその風貌から子どもたちから恐怖の対象として見られがちですが、実はサンタクロースことニコラウスの従者(=家来や召使みたいなもの)で、サンタに変わって悪い子どもや大人たちにお仕置きをして、正しい方向へと修正する役目を持った、ホントは良い奴なんです!ザ・ナマハゲ!(違)
そして黒いサンタがもう一人・・・「ループレヒト」
ちなみにサンタことニコラウスに同行する人物で「ループレヒト」と呼ばれる通称:黒いサンタクロースも存在ます。
こちらもクランプス同様、子どもたちを懲らしめるのが目的のようです。ただしクランプスと違って姿は人型です。
サンタと違って全体的に黒い格好をしています。ヒゲも黒いです。ダークサイドです。
写真では持っていませんが、サンタは真っ白な袋を持ちますがループレヒトはボロボロのズタ袋を持ちます。
また、サンタが子どもたちにおもちゃやお菓子を上げるのに対し、ループレヒトは石やゴミをあげます。非常に迷惑です。(笑)
クランプスに比べたら怖くは無いものの、ある意味クランプスよりも関わりたくないですね・・・。
クランプスやループレヒトは共に同じ役割ながら、国や地方によってどちらが登場するかに違いがあります。
場所によっては一緒に登場する話もあったりと基本的にはふたりともダークサンタとして一緒に扱われているようです。
クランプスデーというハロウィンのようなイベントも
主にドイツ東南部のバイエルン州、オーストリア中部・東部、ハンガリーとルーマニア北部のトランシルヴァニア地方とスロヴェニアでは、クリスマスシーズンになるとハロウィンなどと同じように、クランプスの格好をして街を練り歩く「クランプスデー」「クランプスナイト」と呼ばれる行事があります。
様々な見た目の個性的なクランプスに扮した彼らは、12月の初週にムチを振り回しながら街中を歩きまわり、主に女性や子供達を驚かせます。
ハロウィン等と似ていますが、ハロウィンのようにお菓子を上げたり貰ったりということはありません。一方的にびっくりさせるだけです。(笑)
https://youtu.be/WLnl5ZWG4tg
ちなみにこのクランプスの衣装、なんと一つ一つ全て手作りで、主な材料として羊の角(骨格)と動物の皮が使用されているとのこと。お、おぞましい・・・。
でも中には木彫の仮面で、まさにナマハゲといった感じのものもあります。
怖楽しい?クランプスデー。一度現地で見てみたいものですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
怖いサンタ、といえば、過去に映画やドラマ等のテレビ番組などがあり、怖い話などで登場するような殺人鬼のイメージが強いと思います。
確かにあちらも怖いですが、ああいったものは一つの娯楽として、楽しませるために作られています。
しかし今回ご紹介した「クランプス」や「ルプレヒト」といった生物・人物は、昔から伝わっている風習、つまりきちんとルーツがあって本当に存在したとされているものです。
そう考えると・・・クランプスが本当は良い奴だったとしても、きっとその時代の子どもたちは毎年のクリスマスが楽しみよりも恐怖が強くてたまらなかったはずです。
貴方や貴方の周りの子どもたちは、今年1年良い行いをして過ごしていましたか?
もし何か悪いことをしたと心あたりがあるなら・・・気をつけて下さい。
迫っているクリスマス、貴方のもとに現れるのはサンタではなくクランプスになるかもしれません。