ドイツ・フォルクスワーゲン社のディーゼルエンジン不正プログラム問題ですが、対象となるゴルフについて約1万5千台のリコールを開始するとのこと。
なお、今回のリコール作業について、作業後も燃費や性能、騒音などを変更させないことを目標としており、ドイツ政府がこの目標が完全に達成されたことを承認したそうです。
ディーゼルエンジンの不正問題では関連費用として162億ユーロという、為替レートにもよりますが約2兆円ちかい莫大なお金を計上していますが、販売不振やブランドイメージのことを考えれば、また最初から不正なんてせずにこのリコール相当の装備で販売していれば、こんな問題になることもなく莫大な赤字になることもなかったのではないでしょうか。
続く自動車の不正問題
一方、日本国内に目を向けてみると、三菱自動車が軽自動車の燃費をごまかしていたということで、こちらも問題になっています。
しかも、日産自動車へも供給していたことから、日産自動車への保障もどうするか問題にもなっており、今のところ具体的な話はまだ見えてきません。
自動車の不正問題というと、国内では三菱自動車のリコール隠しが有名ですが、世界的に見るといろいろと見えてきます。
例えば、優等生的なイメージの強いトヨタですが、アメリカでのリコール騒ぎは記憶に新しいところですし、アメリカGM社のリコール隠しも比較的最近の出来事で未だ解決したとは言えません。
市販車に限らない話となると、WRCと呼ばれるレースでは、かなり昔ですがトヨタがレギュレーションを逸脱した改造を施したとして出場停止の処分を受けるなどし、(F1への参戦もあって)WRCから撤退することになってしまいました。
こうやって見ると、自動車の不正関連の話題というのは、大なり小なり途切れることなく何かしら続いていることがわかります。
そこまで燃費にこだわる必要があるのか
今回のフォルクスワーゲンにしても三菱自動車にしても、車そのものに問題はないものの、燃費をごまかしていたというのが問題になっています。
試験などで計測された結果を正直に使っていればこんな問題にはならなかっただろうに、それだと「燃費の悪い車」「環境に悪い車」というネガティブなイメージになることを恐れたのでしょう。
特に日本国内では燃費第一主義とでもいえる、燃費に対するかなり偏った信仰のようなものがありますから、少しでも燃費をよく見せたかったという気持ちがとてもわかります。
両社ともに試乗インプレッションを読んでみても、車そのものに対する評価は高いものが多かっただけに残念です。
とはいっても、燃費30.1km/Lと29.9km/Lでは、実際には0.2km/Lしか違わないのにぱっと見の印象がかなり違います。
実際には運転次第でいくらでも燃費は変わりますし、だいたいカタログ値の7割くらいが相場と言われている中、0.1km/L単位で燃費にこだわるのもどうかという気もします。
まとめ
消費者・自動車メーカーともども0.1km/L単位での燃費にこだわっているからこそ、これ以上は無理と思われてもそこからさらに少しずつ燃費が向上してきているというのも事実です。
そうはいっても、その結果がこのような不正を生んでしまったのかと思うとなんだかやりきれない気持ちになってしまいますね。